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国道357号南下延伸 01

※H30.07.28:修正

 国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所管内において鶴見区の一般部区間を除き、国道357号・最後の延伸区間となっている八景島~夏島間の着工式が、昨日午前、横須賀市リサイクルプラザにて行われました。

 昭和63年(1985年)の都市計画決定から30年以上経った昨年冬に「横須賀地区道路ネットワーク検討会」が設立され、ようやくこの区間の延伸に向けて動き出しました。このブログでは、今後も国道357号延伸区間の現状を定期的に観察しながら、日々の変化について記録できればと思っております。

そもそも国道357号とは

 「東京湾岸道路」の異称を持つこの国道357号ですが、国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所発行の「国道357号東京湾岸道路パンフレット」では

 「東京湾岸道路は、横浜、川崎、東京、千葉、木更津及び富津等の諸都市を連絡する延長約160kmの幹線道路であり、内陸部の交通混雑の緩和を図るとともに、湾岸に立地する諸都市、諸施設の機能の効率化に資することを目的とした道路です」

 と記載されています。スーパー中枢港湾である京浜港(東京港、川崎港、横浜港)や国際拠点港湾の千葉港、国際空港である羽田空港を結んでおり、物流的にも極めて重要な道路であると言えます。

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▲横浜港の物流を支える横浜ベイブリッジ(上層専用部:首都高速湾岸線、下層一般部:国道357号)

 横浜国道事務所管内における最近の動向については、平成23年度(2011年度)に福浦地区で4車線化、平成25年度(2013年度)に根岸地区で4車線供用(高架下層部)、平成27年度(2015年度)には本牧地区(横浜ベイブリッジまで直結)で2車線供用等が行われています。

何故必要なのか

 八景島~夏島間においては都市計画決定が行われたのにも関わらず30年以上もの間事業が進まないという状況が続いていました。ひょっとすると、「ここだけ開通しても個人的に使い道がないし、今更整備する必要もないのでは」という意見をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、現地に目を向けると周辺の国道や生活道路では渋滞が多発し、大型のトラックがひっきりなしに生活道路を走ることで、生活環境が悪化するだけではなく更なる渋滞を招くという状況が見受けられます。これらの課題を早急に解決する必要があると言えるでしょう。

 ところで、経済学(交通計画学)の世界では、時間の変化に対する支払い意思額を「時間価値」として定義しています。1人の1分あたりの時間価値を40円として極めて簡単な試算を行ってみると、例えば、既存の道路を使うと60分かかる所、新設のバイパス道路を使うと20分で移動できる場合、新設のバイパス道路を使うことによる1人あたりの便益は(60分-20分)×40円/分=1,600円ということになります。このような考えの下では、渋滞を減少させることがいかに経済活動にとって有益かということがよく分かると思われます。

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(左)横須賀と横浜を行き来する車で混雑する国道16号(金沢八景駅前交差点にて撮影) (右)夏島の工場群からのトラック・トレーラーで混雑する夕照橋

 ちなみに、平成24年12月付の関東地方整備局の資料※1によると、国道357号の神奈川区間が整備された場合の費用便益比(B/C)※2は1.5となっており、整備費用に比べて大幅に便益を得られるという試算結果になっています。

※1 【参考】国土交通省 関東地方整備局「(再評価)一般国道357号 東京湾岸道路(神奈川区間)」
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000071485.pdf

※2 費用便益比(B/C):整備により見込むことができる「便益」を整備にかかる「費用」で割ったもの。B/CはBenefit/Costの頭文字を取ったもの。結果が1.0よりも大きければ便益の方が費用よりも高いことを意味します。

都市計画決定に基づく計画予定地・現況写真 (略地図内のA~Fと対応)

●略地図

無題201807232
▲横浜市「i-マッピー」を参考に作成

〔凡例〕
― 実線:国道、市道(極太線:片側2車線以上、太線:片側1車線、細線:一方通行)
… 点線:延伸区間(昭和63年都市計画決定時)
四角枠:交差点名

●計画予定地イメージ図(昭和63年都市計画決定時)

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(左)南西側より(野島公園展望台) (右)西側より(金沢動物園しいの木山展望台)

(A)地点 金沢柴町交差点付近

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▲金沢柴町交差点より南側を向いて撮影

 金沢柴町交差点より南側の区間については現在、(高速乗合バス・観光バス等を除く)一般車両の立ち入りが禁止されており、通行を認められた車両のみランプを登って通行することができます。

(B)地点 本線・ランプ合流部

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▲柴航路橋(歩道部)より北側を向いて撮影

 ランプと将来本線になると思われる部分の合流部です。延伸に向けて準備工事が施されているのが良く分かります。このような構造になっているのは、恐らく4車線の高架道路が金沢柴町交差点を立体的にパスできるような構造とするためのものと考えられます。なお、この付近では現在耐震補強工事が行われています。

国土交通省 関東地方整備局「(再評価)一般国道357号 東京湾岸道路(神奈川区間)」 p.4ポンチ絵(縦断図)より

(C)地点 柴航路橋

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▲柴航路橋とブルーフォール

 八景島と福浦の間を結んでいるのが、片側2車線(4車線・両側歩道付)、全長260mの柴航路橋です。主塔の高さは45mあり、主塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接繋ぐことで橋を支える構造(斜長橋)となっています。

【参考】
Wikipedia「柴航路橋」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B4%E8%88%AA%E8%B7%AF%E6%A9%8B


(D)地点 八景島トンネル

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▲団体バス発着所・横浜行きバス発着所より北側を向いて撮影

 丘の広場の真下を貫く八景島トンネルは、西側(北向)のみ歩道が設けられ、東側(南向)は車道のみとなっています。

(E)地点 団体バス発着所・横浜行きバス発着所

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▲南側を向いて撮影

 現時点における国道357号の最南端は団体バス及び京浜急行バス(YCAT⇔横浜・八景島シーパラダイス便)の発着所(折返し場)となっています。延伸された場合にこの発着所をどうするのかというのも気になるところです。

(F)地点 八景島南部

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 トンネル及び発着所の延長上には延伸を見越しているためか、空き地が広がっています。現時点での計画だと、奥側に見える野島水路上に向かって橋梁が伸びることになっています。

今後について

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(左)夏島交差点(北西側より撮影) (右)切回しが行われると思われる水路

 「平成30年度 横浜国道事務所の事業概要」によると、平成30年度は夏島地区の調査設計及び改良工事が推進される予定になっています。改良工事については、平成29年度の補正予算を活用し、夏島交差点周辺の樹木の伐採や水路の移設等が行われるようです。

【参考】2018年6月22日付 神奈川新聞 「国道357号八景島-夏島町 30年越し整備着手へ」
http://www.kanaloco.jp/article/341968


【参考】
国土交通省関東地方整備局 横浜国道事務所
・横浜市行政地図情報提供システム
神奈川新聞「カナロコ」
Wikipedia

■関連記事

【幸浦二丁目~金沢柴町間】
・(2012/01/30) 4車線化
・(2012/02/18) 357

【八景島~夏島間】
・(2018/07/22) 国道357号南下延伸 01 はじめに


ここからは完全に私の妄想ですが、仮に架橋された場合のイメージ図を作成してみました(^^;

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八景島と対岸の夏島町(日産追浜工場)の間は直線距離で約500m離れており、景観および航路を確保する上でも「桁橋」や「トラス橋」等で架橋するのは現実的ではありません。これを踏まえて候補として上がってくるのが「吊り橋」と「斜長橋(or 「エクストラドーズド橋」)」になる訳ですが、吊り橋にはケーブルの力を支えるための「アンカレッジ」と呼ばれる巨大なコンクリート構造物を両端に築く必要があり、敷地の狭い八景島内にアンカレッジを築くのもまた現実的とは言えません。そこで、航路を確保しつつ比較的合理的に設置できるだけでなく、景観的にも柴航路橋との連続性を持たせることができる斜長橋(or エクストラドーズド橋)が採用されるのではないかと考えています。

恐らく支間長は柴航路橋よりも長くなり、航路限界もより高くなると思われるので、主塔は2本になるのではないかと勝手に推測しイメージしたのが上図です(汗)

果たして、どのような橋になるのか、そもそも架橋されるのかという問題もありますが、私個人としては柴航路橋に比べてシンボル性のある橋梁になってくれればと願っております。

ではでは。
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