4車線化
- 2012/01/30 21:57
- Category: 土木・建築関係::工事(道路)
●タウンニュース金沢区版2012年1月26日号
「金沢柴町まで4車線に」 http://www.townnews.co.jp/0110/2012/01/26/132863.html
国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所は18日、国道357号の幸浦二丁目交差点〜金沢柴町交差点間(1・6キロ)を3月中旬に4車線化すると発表した。これに先立ち2月14日(火)、上り線が金沢緑地側に切り替わり、2車線となる。下り線も整備が完了次第、2車線として供用開始される予定。
国道357号(東京湾岸道路)は1978年から事業が開始され、市内では磯子区新磯子町〜八景島間(9・2キロ)が、99年までに開通した。
このうち幸浦二丁目〜金沢柴町間は、97年の供用開始以来2車線だったが、2008年に4車線化工事を開始。東日本大震災で周辺の地盤が液状化したことなどにより工期がやや延びたものの、着工5年目で供用に漕ぎつけることになる。これにより、市内の全区間が4車線になる。
上り線の切り替えは2月14日午後1時。その後3月中旬まで下り線の整備を行い、4車線となる。横浜国道事務所は、「詳細な日時が決まり次第、別途発表する」としている。
渋滞緩和に効果も
この区間は、市内の供用部分で唯一2車線となっており、渋滞を引き起こすことも少なくない。神奈川県警交通管制センターによると、特に八景島に向かう行楽客らで混み合う土日・祝日は、金沢柴町を起点に1〜2キロの渋滞が発生するという。4車線化完了により、こうした休日の渋滞緩和も期待される。
延伸着工は「未定」
一方で、1988年に都市計画決定された八景島〜横須賀市夏島町の区間(2・3キロ)はいまだ着工されていない。
同区間にあたる野島水路には干潟が存在し、アサリやカキが生息。海苔養殖にも利用されている水産資源が豊富な水域となっている。このため、高架建設による生態系への影響を懸念する声もある。
同事務所の五十嵐一夫工務課長は、「八景島より先の着工時期は未定。環境調査が継続されており、その結果を踏まえて判断することになる」と話している。
幸浦二丁目交差点から金沢柴町交差点にかけての区間は長いこと2車線の状態のままとなり渋滞の一原因となっていましたが、この度の4車線化に伴い混雑の緩和が期待されます。

(敷地外より撮影)
2月14日から上り車線になると思われる部分。
下り車線についても3月中には2車線化される予定。

(敷地外より撮影)
緑地側の歩道には自転車専用道路も設置されるようです。
こういう取り組みはどんどん広がっていって欲しいものですが、自動車を中心に都市計画が行われた日本では少々難しいかもしれませんね。

▲八景島へと続く国道357号
ところでタウンニュースの記事にもありますが、国道357号は全通している訳ではなくこの先の八景島から夏島までの区間についても延伸する予定があり、東京湾岸道路の異称もあるこの国道357号の全通によって並行する国道(1号、15号、16号)での渋滞損失を減少させることの他に、スーパー中枢港湾として指定された横浜港・東京港や羽田空港の間でのアクセス強化を図るということも主な目的とされています。

▲日産追浜工場方面からの車両で混雑する夕照橋
国道357号が横須賀方面へとつながれば、野島地区や海の公園周辺の生活環境も改善されるでしょうし渋滞も少なからず緩和すると思われます。
また、八景島から夏島へと至る経路にシンボルとなる意匠性に優れた橋梁が築かれた場合はそれ自体が観光資源となる可能性もあります。

▲計画図からイメージしてみたもの
ただ、道路が海上に築かれることにより周辺に生息する生物への影響が出てくるのは必至ともいえ、野島干潟など多様な生態系を育む場所が失われる可能性もありますし、道路自体が景観に影響するというのも考慮する必要があるでしょう。
延伸か中止か…難しい選択になるかとは思いますが、最善の方法が見つかることを期待するばかりです。
(参考)
●タウンニュース
金沢区版2012年1月26日号「金沢柴町まで4車線に」
http://www.townnews.co.jp/0110/2012/01/26/132863.html
●国土交通省
「平成23年度 横浜国道事務所の事業概要」
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000039201.pdf
「公共事業評価 国道357号東京湾岸道路(神奈川県区間)」
http://www.ktr.mlit.go.jp/honkyoku/kikaku/jigyohyoka/pdf/h21/01siryo/siryo1-3.pdf
「観光社会資本の事例」
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/kankosyakaisihon/87/3403.pdf